INFRASTRUCTURE AUTOMATION
カスタマーソリューション部
マネージャー米田 北斗
SENTENCE.1
ITインフラを担うネットワーク、サーバー、クラウド環境では、API(Application Programming Interface)の公開が当たり前となっていますが、実際のITインフラの運用現場では、従来通りGUIやCLIによる属人的な運用が続けられています。その為、多くの企業でITインフラの運用におけるヒューマンエラーや運用コストの肥大化が問題となっています。各企業でもAPIの存在は認知しているものの、実際の運用現場ではそれらを扱える人材がおらず「自動化したいができる人がいない」「どのように自動化するのか(方法が)わからない」という問題が散見されています。
このような問題に対し、当社のITインフラ運用自動化事業は、プログデンスがこれまでに培った高度なネットワークインテグレーション技術と開発力(プログラマビリティ)を組み合わせ、運用コンサルタントという立場で既存のITインフラ運用の問題点を洗い出し、アプリ開発者という立場で「非属人的な最適化されたITインフラ運用の自動化」を実現することを目的としています。
SENTENCE.2
成果は、すでに各所で出ております。一例として、ある大手人材系企業のお客様にて、当社が設計・構築したネットワーク基盤を運用されていたのですが、日々発生するネットワークの許可設定やセキュリティパッチの実装に伴い、多くの運用メンバーがレビューや資料作成に追われていました。このような人の手が介在した運用業務をPythonやAnsibleによる自動化ツールを導入し「非属人的な最適化されたITインフラ運用の自動化」を実現した結果、およそ50%の劇的な工数を削減。事前にお客様にご提示していた算段通りの効果が表れたことで大きな評価を頂きました。現在は、自動化の対象範囲を広げ、チームの拡大と共に、更なる自動化を進めています。
しかし、エンジニア出身の私にとっては「成果」という言葉だけでは片付けられません。なぜなら、これまでエンジニア自身が体感しづらかった「アプリ開発の効果」が、本事業によって目に見える数字として可視化され、「新しいやりがい」に繋がると知ったからです。
SENTENCE.3
お客様によって課題や環境は多種多様ですので、プログデンスでは技術分野を特定せず、様々なプログラム言語、フレームワークを幅広く活用しています。強いて言うならば、PythonやAnsibleがこれまでの事例で多く活用されているため引き続き注力し、自動化を担うプログラムで判断しきれない部分は、生成AIとの連携が鍵となる為、今後はAzure OpenAIやChatGPTなどの活用にも注力していきます。
SENTENCE.4
本事業の推進を機に、当社では技術領域の拡大に伴い、エンジニア自身も革新的な成長を遂げようとしています。これまでは、ネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、クラウドエンジニアといった分野ごとに活躍していたエンジニアも、今後は、開発・自動化両面の提案ができる「オートメーションエンジニア」として育成する方針を打ち出しています。多様な技術領域を網羅するエンジニアのさらなる活躍を目指し、当社の社内ラボには、Python、Ansible、Terraformなどの主要な自動化ツールを導入し、精緻な検証と高品質な成果物の創出を可能にする環境を備えています。このような環境は、当社の技術的優位性を支え、お客様に最高のソリューションを提供する強力な基盤となっています。
SENTENCE.5
ITインフラ運用における自動化のメリットは、コスト削減と品質の担保です。それらは多くの企業が関心を持っている分野ですが、実際に導入している企業は少なく、その為、市場全体の規模が大きいとは言えません。人の手を介さず運用業務を自動化する動きは社会的にも期待が高まっているため、私たちは幅広い顧客層にアプローチして事業を展開する方針です。これまでネットワークやサーバーのインテグレーション事業で多くの実績を積み上げてきたバックボーンを活かし、既存ビジネスの土壌でアプローチしていくことにより、シナジーを発揮します。ビジネスチャンスの豊富な自動化領域においても第一人者となれるようブランディングとリーダーシップを強化していきます。
SENTENCE.6
ITインフラ運用の自動化領域は、現時点では明確なリーダーとなる企業が存在せず、ビジネスとしての可能性と共に、エンジニアの成長機会も広がっています。この分野で活躍することは、アプリ開発からネットワーク、サーバー、クラウドに至るまで、多岐にわたる技術スキルを磨く絶好の機会と言えます。特定の技術に特化するよりも、様々な技術領域へ挑戦し、新しいビジネスの成長に貢献したい方にとっては魅力的な環境と言えます。
自動化システムの開発は、ゼロベースから開発する醍醐味があり、要件定義から設計、実装、効果測定に至るまでの全プロセスを自らリードしていきます。その経験を基に新たな提案を行うことができるキャリアパスは、次世代を担うエンジニアに求められる要素でもあり、私たちは、多様な技術に触れ、ビジネスの最前線で活躍する、そんな未来のエンジニアを育成していきます。