Q. 東京電子専門学校について簡単にご説明いただけますでしょうか?
当校は、今年で創立80周年を迎えます。電子系分野に特化した学校として、日本でも有数の長い歴史を誇ります。医療・電気・電子・情報の3分野を横断的に学べる総合学園として、専門性と実践力を兼ね備えた人材育成に取り組んでいます。
Q. 御校の教育方針や教育理念についてお聞かせいただけますでしょうか?
当校の教育理念は、「技術は力である」という考えを出発点としています。単に高度な技術を身につけるだけでなく、技術を正しく活かすための心と、それを支える体との調和を重視しています。技・心・体のバランスが取れた先端技術者を育成し、社会や産業の発展、さらには日本や世界に貢献できる人材の輩出を目指しています。
実践的な職業教育を重視し、実際の現場で行われている作業やプロセスを教育に取り入れた学習環境を整えています。現場で即戦力として活躍できる力を身につけた人材を社会へ送り出し、社会のニーズに応える教育を継続的に展開していることも、当校の大きな特徴です。
当校は、戦後間もない時代に創立者が「ラジオ学校」として開設したことに始まります。当時は技術者が不足する中、技術を身につける機会があれば、誰もが力を発揮し、世界で通用する人材になれるという信念がありました。技術は個人の可能性を広げ、人や社会の発展につながる。その思いが、当校の教育理念として現在まで受け継がれています。
技術に興味や関心を持つ学生は多くいますが、それを仕事として社会で活かしていくためには、表面的なスキルだけでなく、原理・原則に基づいた基礎技術をしっかりと学ぶことが重要ですよね。
御校では、基礎から応用までの体系的な学びを通じて総合的な知識を高めるとともに、身につけた技術をどのように仕事や社会に活かしていくのかについても、授業の中で実践的に指導されているのがよく伺えます。
「技術は力である」という考えを大切にしつつ、技術だけに偏らない教育を行うようにしています。社会で活躍する技術者には、判断力や人間力、そして社会人として必要な教養が不可欠であると考え、専門技術の習得に加えて、そうした力を養う教育も重視しています。
また、御社のような外部の有識者や企業関係者にご参画いただく委員会を設置し、現場の声や最新の業界動向を直接伺いながら、カリキュラムの検討・改善を行っています。得られた意見は積極的に教育内容へ反映し、時代に即した学びを提供できるよう、継続的な改善を重ねています。
Q. 砂賀先生がご担当のセキュリティ・ネットワーク科についてお聞かせください。
当校の情報システム系の学科は、汎用機の時代から続く長い歴史を持ち、開発系を中心とした教育を行ってきました。その結果、開発分野での就職実績を積み重ね、毎年ほぼすべての学生が内定を獲得するなど、高い就職率と企業からの評価を得ています。これらは、実践的な教育を継続してきた成果だと考えています。
一方、リーマン・ショック前後には開発系の就職先が減少し、インフラ分野の需要が急速に高まりました。こうした変化を受け、当校ではインフラ関連企業との連携を強化し、学生の就職先の幅を広げてきました。
さらに、ネットワーク分野にセキュリティの視点を加え、セキュリティ・ネットワーク科を新設しました。インフラを守るという役割に特化し、社会的ニーズの高い分野に対応した教育を行っています。
当社もインフラ系に強みを持った会社ですので、サーバやクラウドなどから発展してセキュリティ領域まで学びを広げているというのにはすごく共感できます。
ただ、開発分野に比べて、インフラやセキュリティ分野の魅力を高校生にどのように伝えるかという点には課題も感じています。インフラという言葉は分かりにくく、セキュリティについても、難しそう、大変そうという印象を持たれやすいのが現状です。本来は社会にとって不可欠で、やりがいのある分野でありながら、その価値が伝わりにくい点については、現在も工夫を重ねています。
たとえば高校生には、「毎日使っているスマートフォンは、どこにつながっていると思いますか?」という問いかけをよくしています。スマートフォンの先にはネットワークがあり、それが止まればアプリも使えず、生活は不便になります。アプリとネットワークはどちらか一方では成り立たず、互いに社会を支える重要な存在です。目立ちやすいアプリだけでなく、その土台となるインフラの大切さも知ってほしいと伝えています。
セキュリティについては、企業で起きたシステムトラブルやサイバー被害を例に挙げ、業務停止が社会や生活に大きな影響を与えることを説明しています。セキュリティは一部の企業だけの問題ではなく、社会全体を支え、守る重要な仕事であることを伝えています。
インフラやセキュリティの仕事は、触ったことがないとイメージしにくい分野ですよね。プログラミングは学校の授業で体験したことがある人も多いですが、インフラはそうではありません。だからこそ御校のように、実際の設備を使った実習や、インターンシップを通じて体験することの大切さを感じます。実際に触れてみると、自分にもできそう、意外と面白いと感じる学生が少なくないのでしょう。
市場価値の観点から見ても、インフラエンジニアは開発系に比べて人材数が少なく、需要が高い分野です。今後も安定して高い市場価値が維持される分野であると考えています。社会を支える基盤として不可欠な分野であることから、将来性という点でも大きな強みがあります。
現在、インフラエンジニアは社会全体で深刻な人材不足にあります。その中で御校が、使命感や仕事に向き合う姿勢といった、エンジニアとしての在り方を教育の中で育んでいる点は、とても重要だと感じています。
その土台の上に、技術力と人間力を兼ね備えた人材を育成することで、企業や社会から共感され、長く活躍できるエンジニアにつながっていくのだと思います。
また、御校の卒業生が現役エンジニアとして活躍し、次の世代へ知見や経験を伝えていくことで、社会と学校をつなぐ役割を果たし、社会貢献にもつながっているのでしょう。
ありがとうございます。ただ、以前ある方にカリキュラムを見せたら、実践的すぎて、まるで就職塾みたいだねと言われたことがありました。
確かに当校では、就職対策をカリキュラムの重要な柱として位置づけ、学科の年限に応じて段階的な就職支援を行っています。授業では、業界研究や自己分析、履歴書・エントリーシート作成、面接練習など、就職活動に必要な内容を体系的に学びます。また、学年に応じたビジネスマナー教育やSPI対策、プレゼンテーション授業、卒業制作でのグループワークを通じて、思考力や表現力、協働力も養っています。
一方で、技術については、基礎をしっかり身につけていれば、意欲次第であとからいくらでも伸ばせるとも考えています。人間力や社会性は意識しなければ身につきにくいため、これらの教育を必修科目として全学生に提供しています。技術力や基礎知識に加え、社会で求められるマナーや就職に向けた準備までを在学中に身につけられる点が、当校の大きな特色です。
大学と専門学校の違いは、勉強の内容というよりも、学びに向き合う姿勢の違いだと思っています。社会により近い専門学校では、技術を授業の中だけで終わらせないことが大切です。自分の時間を使って学び、技術に投資することを、将来の仕事につなげていく。そうした考え方を、在学中から自然と身につけてもらえるような指導になっているという点も素晴らしく思います。
当社の中にも御校の卒業生がおりますが、共通しているのは「自分で考える習慣」があることです。テストのために暗記して点数を取ることも大切ですが、それだけでは社会では通用しません。原理や仕組みを理解して、これをどう使うのか、なぜこうなるのかを考えられる力があると、知識は自然と積み重なり、成長し続けることができます。御校ではその力を養うことに力を入れていますので、社会に出てからの活躍につながっているのでしょうね。
本当にその通りですね。
当校の学びは、実際はかなり演習重視です。たとえばLinuxも、資格のためだけではなく、実際に触って、動かして、失敗しながら学ぶ授業を用意しています。使っている教材も、試験対策用ではなく、現役のエンジニアの方に書いてもらったオリジナルのテキストです。現場で業務をしてきた人だからこそ伝えられる内容が詰まっています。
資格試験の中には、暗記中心で合格できるものもありますが、暗記が得意でない学生ほど、演習を通じて技術を身につけたいという意欲が強い傾向があります。実際に触り、試し、失敗しながら理解していく中で、自分の技術として定着させていく力は、専門学校生ならではの強みだと考えています。
こうした、手を動かしながら技術を理解し身につけていく姿勢は、大学生との違いであり、専門学校教育の大きな特長でもあります。
技術の進歩は日々非常に速く、学校で教わったことだけで対応し続けることはできないですよね。そのために社会では、教えてもらっていないからできないという姿勢ではなく、分からないことがあれば自ら調べ、考え、解決していく力が重視されます。自分で学び続ける姿勢こそが、技術者として成長し続けるための原点であるといえます。
多かれ少なかれ、エンジニアとして成長するには、技術以前に、考え方や向き合い方を変えていく必要がありますから。御校としても、そのマインドをどこまで育てられるかは大きなテーマでしょうし、引き続き私どもも協力していきたいと思います。
学びの姿勢という意味では、最初からガツガツ前に出るタイプの学生は、正直あまり多くありません。クラスの中に1人いるかどうか。でもやり始めて、これ面白いかもと感じた瞬間に、一気に変わる学生もいます。プログラミングは動きが見えるので、そのきっかけをつかみやすいですね。でもネットワークは電波が見えない分、最初は分かりにくいですが、自分で設定して「つながった!」という瞬間を体験すると、そこから一気に興味を持つ学生も多いです。
またインフラ分野の中でも、学生にとってはネットワークそのものよりも、セキュリティのほうが関心を持ちやすい傾向があります。実際に入学してくる学生も、ネットワークを極めたいというよりは、セキュリティをもう少し深く学びたいという動機を持っているケースが多く見られます。そのため当校では、セキュリティを入口として興味を喚起し、その過程でインフラやネットワークの重要性や役割を理解していく教育設計を重視しています。
現在、セキュリティ技術者の市場価値が急速に高まっています。社会全体でセキュリティ人材が不足している中、新しくIT分野を目指す学生にとっても、セキュリティというキーワードは非常に関心を集めやすいものになっています。
セキュリティ・ネットワーク科を開講した2016年の時点では、今ほどセキュリティ人材が足りない状況ではありませんでした。ただ、この分野は必ず来るという感覚はありました。だからこそ、早いうちからセキュリティに関われる環境を作りたいと思い、カリキュラムに組み入れたんです。
Q. 産学連携という形を取り入れて教育活動を行うことにした、その背景にあった課題についてお聞かせください。
カリキュラム検討委員会のメンバーを検討するにあたり、卒業生の中でいくつか候補者の提案がありました。その中の一人が御社でしたが、正直なところ、御社でなければお願いしていなかったと思います。
山田社長にお会いした際、とても気さくなお人柄で、さまざまなお話をじっくり伺うことができました。その後も、卒業生を通じて会社の様子を聞く中で、個人の縁を差し引いても、御社は非常に魅力的な企業だと感じています。セキュリティやネットワークといった事業内容は当校の取り組みともよく合っており、掲げていらっしゃる理念や考え方にも強く共感しました。
企業とのお付き合いの中では、安心できる、この企業さんならお願いできると自然に感じられる雰囲気や感覚がとても大切だと思っています。言葉にするのは難しいのですが、産学連携を一緒に進めていく上でも、そうした安心感は大きな要素です。セキュリティ分野の企業は他にもありますが、その中でも、ぜひご一緒したい企業の一社だと率直に感じました。
また、私自身、ガツガツした雰囲気の企業よりも、落ち着きがありつつ堅すぎない空気感を大切にしています。その点で、山田社長や実際にお会いした新卒採用担当の方々からは、仕事を楽しみながら丁寧に取り組まれている姿勢が伝わってきました。そうした点からも、安心して一緒に取り組んでいける企業だと感じています。
ありがとうございます。会社をほめられるよりも、お会いいただいた社員をほめられるほうが、私としては嬉しいです。
当初は大学生のみを採用されていると伺い、扱われている業務の難易度が非常に高いのだろうと感じていました。社員数が増える中でも、ベンチャーらしい挑戦的な雰囲気を保ちつつ、高い技術力を土台に難易度の高い業務を着実にこなしている印象を受けています。
そうした点から、御社の技術力は本当に素晴らしいと感じています。すぐに専門学校教育へそのまま落とし込むのは難しい部分もあるとは思いますが、それでも学生に伝えられる学びや還元できる知見は多いはずだと考え、ぜひご一緒できればと思った次第です。
当社の仕事は、いわゆる大企業の業務内容とは少し違うかもしれませんが、自分たちが本当にやりたいことに向き合って仕事をしています。エンジニアにとって、これはとても大きな価値だと思いますし、現場では一人ひとりが自ら判断し、主体的に動ける環境があると感じています。
トップダウンで物事が決まるのではなく、エンジニアでありながらも、現場の判断や意見がしっかりと事業に反映するようにしています。新卒で入社した者がすでに事業の中核として活躍しているケースも増えてきており、そこに私自身も魅力を感じています。
一般的には、企業規模が大きくなるにつれて、ベンチャーらしさは薄れていくものだと思っていました。ですが、御社を拝見していると、規模が拡大しているにもかかわらず、そうした雰囲気が失われておらず、むしろ良い形で保たれているように感じました。
Q. パートナーを組むにあたり、プログデンスに期待していた点はなんでしょうか?
やはりカリキュラムについては、常に改良を重ねていきたいと考えています。そのためには、今、必要とされている技術を取り入れることが重要ですし、当校の強みである、先端技術を学べるという点には、特にこだわり続けたいと思っています。
ただ、学校の中にいると、現場で使われているツールや技術が見えにくくなることもあります。そのため、私自身もできるだけ外部のセミナーに参加するようにしていますが、やはり現場で直接触れる情報や経験から得られる学びは大きく、実体験に基づく意見やアドバイスが重要だと感じています。
また学生には、現場の風を感じてほしいと考えています。テーマはシンプルでも、エンジニアや企業の方が実際に来て話をしてくださり、それを学生が直接受け取ることに大きな意味があります。その場では実感がなくても、後に現場で、学校で聞いた話だと思い出してくれれば十分です。
御社のように、現場の視点で関わってくださる企業との取り組みは、学生の学びを深めるうえで非常に価値があり、本当の意味でパートナーとして協力していただいていると感じています。
今、砂賀先生がおっしゃったような期待感については、常に問われていると感じていますし、それに応えていかなければならないという思いは、以前から持ち続けています。主体的に考え、行動し、形にしていく力を身につけてもらいたい、そんな思いで進めています。
Q. プログデンスには、具体的にどういった形で協力してもらっていますか?
昨年いただいたアドバイスの一つが、「扱っている言語が少し多すぎるのではないか」というご指摘でした。現在のカリキュラムでは、C、Java、PHP、Python、JavaScriptと複数の言語を扱っています。一方で、C言語は応用の利く基礎として位置づけており、リテラシー教育としてもハードウェアやネットワーク、セキュリティ、データベースなど幅広い分野を学んでいますが、科目数としては多い構成になっています。
そうした背景から、言語を整理する方向で見直しを進め、たとえばPHPをカリキュラムから除外したり、HTMLも基礎に絞って授業数を減らすなど、全体のバランス調整を行っています。現在は、その内容が妥当かどうかを検討しつつ、授業のあり方自体も見直している段階です。
また新たに導入したのが、問題解決型の授業です。昨年は、正常に動かないシステムを題材に、トラブルシュートを行う実践的な授業を実施しました。現場で起こり得るトラブルを想定した内容で、学生にとっても非常に有意義な学びになったと感じています。
授業という限られた時間の中ではありますが、私どももさまざまな技術トレンドも踏まえながらカリキュラムを検討しています。その際、実際に弊社に入社した卒業生が、社会に出てからどの知識や技術が仕事で役に立ったのかという点も、重要な判断材料の一つにしています。
たとえば、この言語は非常に役に立ったので、今後も残してほしいという声がある一方で、まだ実務では使っていないといった意見もあります。そうした卒業生からの声を受け止めながら、御校への助言や提言を行っています。
今後はカリキュラムの内容を、より汎用性の高い分野に注力していきたいと考えています。教える言語の種類を整理する一方で、セキュリティの要素を取り入れる方向へと調整を進めています。1年次から全体を見直し、バランスの取れた構成を目指しています。
その一方で、学生たちにはフルスタックな技術者が目指せることも重要視しています。他校ではネットワーク分野があってもプログラミングをほとんど扱わなかったり、資格対策を限定し、基本情報技術者試験を扱わない学校も見受けられます。私たちは、そうした簡素化よりも、まずは土台をしっかり身につけることが重要だと考えています。その上で、課題を設定し、セキュリティ、サーバ構築、プログラミングを横断的に組み合わせて学ぶ構成を取っています。
こうした設計により、実務に通用する力を育て、仕事の幅を広げることができます。たとえば、外注していたネットワーク業務を社内で完結できるようになれば、本人に任される仕事も増え、裁量や行動範囲が広がります。そうした将来像を、学生にも伝えています。
セキュリティの話もそうですが、今は自分には関係ないと感じている学生も多いと思います。ただ、皆さんが取り組んでいるプロジェクトに、いつインシデントが発生するかは分かりません。だからこそ、最低限の知識は必ず持っておくべきだ、という話をしています。
限られた時間の中で教育を行う以上、学校としてどこを軸にするのかを明確にすることが重要だと考えています。この点は、理念として繰り返し議論してきた、一貫した考え方です。
私たちは、必ずしも全ての言語や技術を網羅するようなフルスタックエンジニアの育成を目的としているわけではなく、特定の技術に偏らず、幅広く理解できる人材を育てたいと考えています。トラブルシューティングのように、複数の領域をまたいで考える力を重視しているのも、そのためです。
現場では、開発担当やサーバ担当など、さまざまな立場の人と連携する必要があり、そのためのベースとなる知識が欠かせません。一方で、限られた授業の時間ですべてを詰め込むと中途半端になってしまいます。だからこそ、どのポジションを目指すのか、どこまでを学校が担うのかを明確にし、その軸に沿った教育を行うことが大切だと考えています。
Q. 産学連携の取り組みを経て、学生たちに変化はありましたか?
授業直後のアンケートを見ると、とてもためになったという感想は多く寄せられます。ただ、その刺激やモチベーションが卒業までずっと続くかというと、必ずしもそうではありません。私がよく例えに出すのが、ドラえもんのポケットです。自分の引き出しに、ドラえもんのポケットのようにさまざまな経験や知識が詰まっていれば、何か起きたときにもすぐに対応できます。
それは技術だけでなく、人間関係も同じことが言えますよね。そもそも引き出しがなければ、取り出すことすらできませんが、持っていれば必要なときに活かせます。そうした引き出しは、現場を経験してきた方の話や、実際に一緒に取り組んできた企業だからこそ伝えられるものだと思います。在学中にその引き出しをいかに増やせるかが重要だと感じます。
学生時代に、変化や実体験を伴った授業に触れているかどうかで、社会に出てから、あの授業は本当に良かったと感じるかどうかが大きく変わってくると思います。
就職に関する話やセミナーも、内容としては私たちが普段授業で伝えていることと大きく変わらないのですが、企業の方から話していただくと、学生への響き方がまったく違います。「授業でその話、昨日もしたよね」と思うような内容でも、感想を見ると「すごく良かった」「刺激になった」という声が多く寄せられます。そうした意味でも、刺激を与える一つの手段として、企業の皆さまと一緒に行う授業は、とても価値があると感じています。
学生の頃から、企業や社会の話が聞けて刺激を受けている人も多いでしょう。私の言葉にも、何かを感じてくれる学生がいるとうれしいです。
Q. 学びを得た学生たちに、社会に出てどのような活躍を望みますか?
最終的には、最前線で活躍できる技術者になってほしいと考えています。私自身、卒業式ではいつも、まずは自分のために、自分の幸せのために頑張ってほしいと伝えています。その努力が、結果として会社や社会、さらには国のためにもつながっていく。そうした循環が大切だと思っています。インフラが社会基盤であるように、ITエンジニアは社会を支える存在です。
だからこそ、現場で活躍できるエンジニアが一人でも多く育てば、それだけで私たちの使命は果たせていると感じています。同時に、仕事だけでなく、家庭や趣味も含めて自分の生活を大切にし、楽しみながら働くことの重要性も伝えています。実際にそれを体現している卒業生が、笑顔で学校に顔を出してくれる姿を見ると、本当にうれしくなります。
そのためには、安心して働ける企業に就職してもらうことが欠かせません。信頼できる企業に進んだ卒業生は、実際に活躍しながら、自分の生活も大切にできていると感じています。だからこそ、私たちはカリキュラムだけでなく、学生が社会に出た後の幸せまで見据え、企業の皆さまと一緒に学校づくりをしていきたいと考えています。
ITは決して楽な仕事ではないと思いますが、大変な部分も含めて楽しみながら取り組んでほしいです。その中で、自分なりのやりがいや目的を見つけ、その対価としてお金をいただくという意識を持てることが、大きな原動力になっているのだと思います。
出世したい、偉くなりたいという価値観については、昔に比べると少しずつ減ってきているのかもしれません。ただ一方で、自分の頑張りに対して見合ったものが返ってくるイメージは、やはり大切だと思います。
たとえば、お客さまから感謝されることや、以前はできなかったことができるようになる実感。そうした経験は、承認欲求というほど大げさではなくても、確実にモチベーションになります。上司や周囲からきちんと評価され、褒めてもらえることもそうですし、成果を出した結果として、次はより難しい仕事を任されるようになる、という流れもあります。
こうした積み重ねは、いわばキャリアパスに近いものだと思っています。いきなり大きな役割を与えられるのではなく、自分のレベルに合わせて一つずつ段階を上がっていく。そのプロセスを大切にしていくことが、結果的に長く続けられる成長につながるのではないでしょうか。
かつてのように大きな夢を掲げるというよりも、自己実現に近い目標を一つひとつ積み上げながら、自分の価値を高めていく。最近は、そうしたスタイルの若者が増えていると感じています。
みんなの前に立って意見を言いたい、目立ちたい、というタイプの人は、以前に比べると少なくなってきているのかなと感じます。
今はまず、自分がどう楽しく生きられるか、どんな生活をしたいかという点を中心に考える人が多い印象です。だからといって、社会のことを考えていないわけでもないですし、責任感がないわけでもありません。ただ、優先順位として、自分の生き方や生活を大切にしている、という感覚なのだと思います。
私はどちらかというと昭和的な価値観の人間なので、会社が大事、学校が大事、家族のために働く、といった考え方で育ってきました。そうした生き方も否定されるものではありませんが、今の若い世代とは、価値観の軸が少し違ってきているのを感じます。
とはいえ、その変化自体は自然なことですし、同じように感じている人も多いのではないでしょうか。
Q. 今後、プログデンスに期待することはなんでしょうか?
現時点で取り組んでいただいている内容について、決して不満があるわけではありません。ただ、これで十分だとも思っていません。これから先は、社会の在り方や人材の状況も大きく変わっていくと思いますし、その中で求められることも変化していくはずです。
そうした変化に対して、臨機応変に対応していただけることを期待しています。今はまだお願いしていないことも、将来的には相談させていただく場面が出てくるかもしれません。その際には、ぜひ力を合わせながら、一つひとつ大切に取り組んでいければと思っています。
長い目で見て、そうした関係性を築いていけるパートナーシップを作っていけたらうれしい、というのが率直な思いです。
やはり、お互いにとって良い形でなければ、長くは続かないと思っています。どちらか一方が我慢して成り立つ関係ではなく、双方がしっかりとメリットを感じられる、いわゆるWin-Winの関係でありたいですね。
そうした関係性を大切にしながら、これからも末永くご一緒していけたらと思っています。
学校の中で取り組みを進めていく中で、砂賀先生が大切にされている考え方と、プログデンスが大事にしている価値観が、非常によく一致していると感じています。
そうした環境で育った方々が、私たちの会社に入社してくれ、そこで実務を通じて経験を積み、学び続けながら、次の世代の学生や社会へとその価値をつないでいく。そうした循環に少しでも貢献できれば、これ以上うれしいことはありません。
もちろん、すぐに結果が出るものではないと思っています。ただ、同じ方向を向いて取り組める学校と企業だからこそ、長い目で見て、共に価値を育てていけるのだと感じています。
ぜひ宜しくお願いします。
※ 本情報の内容 (リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。