アカウント管理運用は『GIGAスクール構想』推進の要。
北九州市では、早くからその課題に気づき、取り組んできました。
文部科学省は「ICT環境の整備は、あくまで手段であり、目的ではありません」としています。北九州市では、複数の教育現場の先生、保護者、児童生徒から、学習効率の向上を実感し、「学びの足跡を可視化することができ始めている」という声が寄せられています。早くから取り組み、様々な課題を乗り越えてきた同市では、子供たちの将来を見据えた教育施策がすでに形になり、これからのさらなる進化も期待されています。
北九州市の教育委員会がICT教育に取り組んできた歴史は古く、平成20年半ばごろから徐々に、教育用ソフトウェアの導入とともにICT支援員を配置し、教育現場におけるICT利活用に取り組んできました。
Sky株式会社様の授業支援ツール『SKYMENU』の評価が高く、当時の新学習指導要項に明記された「情報活用力の育成のため」という理由もあって、端末台数の拡充や整備を急ぐ要望が上がり、いよいよ独自で端末整備を計画していたところ、GIGAスクール構想が前倒しされることになりました。
このように早くからICT環境の整備に取り組んできたこともあり、令和2年度には全校に教育用通信ネットワークが整備でき、GIGA端末を配布することができました。
その後「SKYMENU」が「SKYMENU Cloud」と進化し、北九州市のICT教育はますます活発になっていきますが、GIGAが始まることにより同時に大きな課題にも気づき始めたのです。
ICTデバイス=文房具が比較的早期に準備できました。あとはICT教育を効果的に実践し、子供たち、保護者様たちからの期待に応えていきたいです。まだまだ北九州市のICT教育の現場は進化していくことでしょう。
Microsoft Entra IDとの連携時にアカウントの重複や管理の手間などが非常に繁雑になってしまいます。毎年度末には大量の更新作業が必要ですし、期中には転入転出が随時発生する可能性があります。また権限の紐付けの問題もあります。
教育機関には、教育委員会があり、学区があり、学校があり、学年があり、クラスがあります。例えば一人の先生のアカウントが、どの権限までの作業が可能か、などを設定し、その上で取り組まなければ、セキュリティの問題だけでなく、ヒューマンエラーなどに繋がる可能性もあります。
これらの作業を、日々激務と向き合っている現場の先生方に全て委ねるわけにはいきません。とはいえ全てを教育委員会のスタッフで補うことは無理があるでしょう。
すでにGIGA端末が整備され環境が整い始めていた当時、これらを早急に解決する必要に迫られていました。さらに現場の先生方は、授業支援ツールのカスタマイズや準備だけでなく、その他の作業を日本マイクロソフト株式会社様のOfficeツールなどで行う必要があります。あちらにログイン後、別IDでこちらにログイン、それが終わったらまた別のツールに別IDでログイン…。さらにソフトウェアのライセンス管理の問題も出てきます。シングルサインオンによるアカウントの一元管理への要望は必然だと思います。
『School Shuttle』の導入が遅れていたら現場は大混乱だったかもしれません。アカウント分散管理による運用がここまで簡単にできるようになるとは驚きです。他にも多くのメリットを感じています。
北九州市ではすでにNext GIGAについても議論し始めています。激務の中、自発的に勉強会を開き新たな知見を得ようとする現場の先生方の熱心さに頭が下がります。
そこで授業支援システムを扱うSky株式会社様、日本マイクロソフト株式会社様と協議し、コストや導入スピードなどを検討した結果、Microsoft Entra IDを効率的かつ効果的に活用できるアカウント管理ツールとして『School Shuttle』の存在を知ったのです。
日本マイクロソフト株式会社の中田氏からは「最もコストパフォーマンスに優れ、効率的なアカウント管理が可能になるツールで一気に課題を解決してしまいましょう」との提案がありました。
北九州市では、児童・生徒の情報更新を即時にできるよう学校ごとに管理させたほうが良いとの考えで、さっそく『School Shuttle』を全校に配布しました。
導入は大正解でした。『SKYMENU Cloud』との橋渡し役として機能しているだけでなく、学区ごと、学校ごと、学年ごと、クラスごとにアカウントを分散管理できること、各ツールのIDの一元管理などはもちろん、その他いくつかのメリットを享受することになりました。
中でも、現場の先生方が最も喜んだのは、インタフェースがMicrosoft Excelという馴染みの画面だったことです。学校環境では、教師やIT担当者がOfficeツールを使って業務をすることが多く、この馴染みある画面での作業という点で、導入から運用に至るまでの期間が大幅に短縮できました。実際に先生方から「とっつきやすい」「すぐに慣れた」という言葉を多くいただいております。
『School Shuttle』は、ここ数年で全国200万アカウントも管理するほどに成長しているそうです。他地域の教育委員会様が実際に導入されている様子も記事などで参照させてもらっています。その優位性については充分に理解することができます。
授業支援ツールをはじめとする他ベンダー様のツールとの連携も、現場からの要望がどんどん上がっていると聞きます。さまざまな課題に対しても真摯に向き合い、課題解決に迅速に対応してくれている様子から、いずれ全ての課題が解消され、さらに使いやすくなるだろうと期待しております。
導入時の課題がだんだんと減り『SKYMENU Cloud』による授業が推進されていくと、目にみえる効果が現れ始めました。
実際の教育現場では、「発表ノート」という機能(PowerPointのような機能)を用い、子供たちが自発的にプレゼンを行い、それを他の生徒と共有する、という新しい授業風景が見られるようになりました。現場の先生が設定変更することで、共有機能を追加したり、横書きから縦書きへの変更や、文字入力をタイピングでなくタッチペンで認識させるなど、工夫次第でその使い方はどんどん進化しています。
「気づきメモ」という機能では、子供たちが学習中に気づいたことや気になったことをいつでもメモとして残すことができます。従来からの課題だった「振り返り」を能動的に行い「自ら問いを立てる」生徒が増えているのです。また、それを「発表ノート」に貼り付け、子供同士で共有し合うなど、学びの足跡を可視化することに成功しつつあります。
北九州市では、手段であるICT環境の整備が順調に整ってきました。だからこそ『子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現に向けて』というGIGAスクール構想本来の目的達成への道筋が明確に見え始めています。
教育委員会の方々はもちろんですが、現場の先生方もかなり熱心に取り組んでいます。業務終わりに各地域の先生方が自発的に集まって、ICT教育に関するサークルなどを開催し、そこでICT授業のノウハウを共有し合い、より効果的な使い方などを研究していらっしゃいます。
『SKYMENU Cloud』を提供しているSky株式会社で営業担当している私は講師として呼ばれ、使用方法や設定方法などを説明させていただくことがありますが、そこで現場の先生方から多くを学ばせていただいております。
多くの先生方にとって、環境整備に関する負担や労力が減れば、本来の授業に注力することは難しいことではありません。子供たちから学習に対する前向きな姿勢や素直な反応などを引き出すことに成功しつつあると聞いております。こういった環境下であれば、子供たちの学びの可能性はどんどん広がっていくことでしょう。今後もこちらが驚くような新しい授業風景が現場の先生方によって開発されていくに違いありません。
現場の先生方、教育委員会から多くの要望が寄せられています。「最終的には、校務支援システムと連携ができるようになれば良いと思います」「アカウント連携だけでなく、児童生徒の教育データの連携も進んでいけば、教員の指導の最適化もより進んでいくのではないかと思います」など…。教育現場の最前線で、真剣に子供たちと向き合い、新たな授業シーンを生み出そうとしている方々にとって、こういったご要望は当然だと思います。
文科省のホームページにこんな言葉がありました。「多様な子供たちを誰一人として取り残すことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びに寄与する」道具をいかに効率的に整えることができるかが、子供たちの可能性を大きく広げていくことに繋がっていく、というのが決して大袈裟ではないと改めて認識しました。すべてのアプリケーションのアカウントが連携されればされるほど、利便性は高くなっていくはずです。だからこそ『School Shuttle』は、進化し続けなければならないと考えています。